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アッパーマス層とは ~余裕のある生活を送るために重要なこととは~

アッパーマス層とは、純金融資産3,000万円以上5,000万円未満の世帯を指しています。この記事では、アッパーマス層の年収や職業、そして行動パターンなどを解説していきます。

(1)アッパーマス層の定義とは?

アッパーマス層という言葉を耳にすることがあります。アッパーマス層とは、純金融資産3,000万円以上5,000万円未満の世帯を指しています。野村総合研究所では、世帯の純金融資産保有額を階層別に、①超富裕層(5億円以上)、②富裕層(1億円以上5億円未満)、③準富裕層(5,000万円以上1億円未満)、④アッパーマス層(3,000万円以上5,000万円未満)、⑤マス層(3,000万円未満)の5つに分類しています。最新の2021年調査によると、富裕層・超富裕層の世帯数は、この推計を開始した2005年以降、最も多くなっています。富裕層・超富裕層は、事業オーナーや相続による資産継承によって資産を形成した世帯の割合が多いと思われます。これに対して、準富裕層、アッパーマス層は勤労者の割合がほとんどであり、株式や不動産を通じた投資活動の結果、資産を形成してきた層が多いのではないでしょうか。もっとも、最近では企業によっては相当の賞与やインセンティブを支払うケースも増えているので、比較的若い年代でアッパーマス層や準富裕層に分類されている世帯も少なくないと思われます。ちなみに、当該調査は2年ごとに行われており、2023年の調査結果は2025年に公表される予定となっています。

(2)アッパーマス層の実態

それでは、アッパーマス層の実態はどうなっているのでしょうか。野村総合研究所による2021年のデータによると、アッパーマス層の世帯数は726万世帯であり、日本全体の世帯数に対する割合は13.4%となっています。すなわち、概ね8世帯に1世帯がアッパーマス層ということになるわけです。300世帯が居住するマンションであれば、40世帯がアッパーマス層ということになります。次に、アッパーマス層の1世帯当たり純金融資産の動向をみると、2021年時点で4,571万円となっています。2022年以降、日米ともに株価上昇局面が続いていましたので、2023年の1世帯当たり純金融資産はもっと増えている可能性が大きいと思われます。このため、アッパーマス層のうち何%かは準富裕層にシフトしていると推察されます(図表1参照)。

図1 わが国の金融資産と世帯数の推移

(3)アッパーマス層の年収、職業をみると

次にアッパーマス層の年収や職業について見てみましょう。厳密には、年収幾らの層がアッパーマス層であり、〇〇の職業に従事している人がアッパーマス層であるといった定義はありません。年収500万円の世帯であっても、支出を抑制し、長期投資を実践した結果、アッパーマス層になっている世帯もあります。或いは、年収数千万円の世帯であっても、毎月散財をして、投資に無関心であればアッパーマス層になっていない世帯もあります。要するに人それぞれということになるわけです。

ここでは、アッパーマス層の姿を理解するうえで、イメージとして年収、職業を提示したいと思います。まず、年収ですが、サラリーマンであれば、年収1,000~2,000万円程度を稼ぐ人が対象となります。大企業であれば、部課長クラスということになるのでしょうか。年収1,000~2,000万円であっても、税金や社会保険料を控除すると手取りは730~1,300万円程度となります。年収2,000万円の場合、手取りは1,300万円程度になりますが、ここから住宅ローン、教育費、保険料、一定程度の投資・貯蓄等を差し引くとさすがに贅沢三昧というわけにはいきません。

また、職業では、キャリア10年以上の勤務医、金融機関やIT系企業で専門性の高い仕事に従事している人、弁護士・公認会計士・税理士・司法書士などの士業、コンサルタント業に従事している人などが該当します。勿論、製造業系企業に勤めている人、公務員として働いている人、サービス業に従事している人であっても、アッパーマス層世帯となっているケースはたくさんおられます。キャリア10年以上の勤務医であってもアッパーマス層に該当しないケースもありますし、サービス業に従事してそれほど年収が高くなくてもアッパーマス層となっているケースもあるわけです。あくまでもイメージとして捉えていただければと思います(図表2参照)。

図2 アッパーマス層の定義、実態、行動パターンを整理すると…	
 (1)アッパーマス層の定義・その1:国内ベースでは保有金融資産3,000万円以上5,000万円未満	
	 ✔ 国内では、保有金融資産別に5つに分類した上から4番目に位置する層(野村総研調べ)
	 ✔ 世帯数は726万世帯、世帯割合は13.4%と日本全体の1割強とされています。
 (2)アッパーマス層の定義・その2:年収や職業など	
	 ✔ サラリーマンであれば、年収は1,000万円から2,000万円程度を稼ぐ人が中心となる。
	 ✔ キャリア10年以上の勤務医。金融機関やIT系企業で専門性の高い仕事に従事している人。
	 ✔ 弁護士、公認会計士、税理士、司法書士などの士業。コンサルタント業に従事している人。
 (3)アッパーマス層の所有資産や保有するに至った背景	
	 ✔ 給与やボーナスなどを無駄遣いせず、長期にわたって積立投資を行ってきた
	 ✔ 余剰資金で株式や債券、投資信託、保険、不動産などを購入して金融資産を増やした。
	 ✔ 相続などによって得た金融資産、不動産資産を堅実に長期投資や賃貸事業として運用した。
 (4)アッパーマス層の実態とは何か	
	 ✔ アッパーマス層とはマス層(純金融資産3,000万円未満)の延長線である。
	 ✔ 支出を抑え(無駄遣いをしない)、資産を増やすための運用を実践しているケースが多い。
	 ✔ また、仕事ぶりは堅実であり、多様な分野に興味を持ち、人的交流を積極的に行っている。

(4)アッパーマス層の行動パターンとは

それでは、アッパーマス層の行動パターンとはどういったものなのでしょうか。一言でいえば「堅実」で「人的交流に積極的」ということになります。日常生活では無駄遣いはせずに、余剰資金等をコツコツと貯蓄や投資に回しているといったパターンが多いようです。また、人的交流に積極的で、勉強会や交流会などを通じて趣味や仕事の領域を広げていくことにも熱心です。場合によっては、人的交流を通じて新しい仕事に就いたり、ヘッドハンティングされて収入が大きくアップしたりといったケースもあるかもしれません。基本的にはマス層の行動パターンと大きくは違わないのですが、マス層に比べると「人的交流」に前向きで、「資産運用に対する関心が高い」というのがアッパーマス層の特徴になるのではないでしょうか。現在保有している資産を守り、将来に向けて安定した生活を築くためには、過剰な消費や無計画な投資には注意が必要です。こうした行動によって、将来、より充実した生活を送ることが可能となると思われます。アッパーマス層では、準富裕層にシフトしていく世帯とアッパーマス層にとどまってしまう世帯とに分かれます。この違いは、「堅実な日常生活を送れるか」、「収入の変動」、「運用に対する意識と行動」の3つがポイントであると考えられます。

(5)準富裕層になるための要件とは

仮に5,000万円の純金融資産があっても、収入が途絶えて、毎年500万円の支出があるとしたら10年で資産は底をついてしまいます。やはり、働けるうちはある程度の収入を得て、できれば金融資産を増やすことを目指すことが大切なのではないでしょうか。アッパーマス層から準富裕層になるためには、資産運用を通じて資産を増やすことが必要となります。仮に年間4%程度の運用収益を得られるとしたら、運用資産5,000万円に対して200万円のリターンがあることになりますが、運用資産が1億円であれば400万円のリターンを得られることになります。税引き後で年率4%程度のリターンは、現実的な数値であり、夢物語ではありません。まずは、金融資産を増やすことを心掛けて、現役時代はインカムゲインを再投資に回すと、より大きな成果が得られるでしょう。但し、株式や投資信託の場合、値下がりリスクもあるので、頻繁に売買を繰り返すのではなく、長期スタンスで取り組むことが大切になります。資産運用については、専門家の助言を得ることが望ましいと思われます。

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