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2025.09.04 コラム

在留外国人動向~在留外国人は増え続けているが、国籍には変化がみられる

在留外国人は増加傾向にあり、国籍は多様化しています。特定技能や留学などの在留資格も増え、大都市圏に集中しています。今後は労働力確保の観点からさらなる受け入れ拡大が求められています。

(1)在留外国人数は過去最高を更新し続けている

先の参議院議員選挙では、参政党が「日本人ファースト」を掲げて獲得議席及び得票数を大幅に伸ばしました。日本人ファーストというスローガンは外国人を排斥しようというものではありませんが、足元では在留外国人は大きく増えており、過去最高を更新し続けています。法務省の統計によれば、2024年末の在留外国人は前年末比10.5%増、人数で35.8万人増加しました。コロナ禍の2020年、2021年には渡航制限により在留外国人は減少しましたが、2023年以降は増加傾向に転じています(図表1参照)。ちなみに、2024年末における日本の人口に占める在留外国人の割合は3.0%となっています。主要国の人口に占める割合をみると、オーストラリア29.9%、カナダ21.4%、ドイツ19.8%、イギリス17.1%、米国15.4%、フランス13.4%、イタリア11.1%、韓国3.5%、中国0.1%となっており、日本の場合、国内人口に占める外国人の比率は依然として低いとみられています(2024年実績データ)。ちなみに、移民とは、当該国以外の国籍を有し、一定期間当該国に居住している人を指しています。

(図表1)わが国における在留外国人の推移

【令和6年末】公表資料(出入国在留管理庁)を基にIFA Leading作成。

(注記)各年12月末時点の数値。単位:万人、%。

(2)わが国の在留外国人はどこの出身者が多いのか

それでは、わが国の在留外国人はどこの国の出身者が多いのでしょうか。2024年末のデータをみると、中国、ベトナム、韓国の順となっており、上位3カ国で全体の過半数を占めています。今から10年以上前では、中国、韓国の2カ国で全体の3分の2程度を占めていましたので、出身国の分散が進んできたと言えるでしょう。中国、韓国(朝鮮半島)出身者の場合、戦前は仕事を求めて或いは留学目的で日本に居住していたケースが多かったようです。こうした在日一世の方から二世、三世へと受け継がれて現在に至っているわけです。二世、三世の人となると、日本の大学教育を受けた人も少なくなく、日本語には不自由しないけれど母国語(出身国の言語)は十分に話せないといった人も多いようです。バブル期以降、わが国ではさまざまな分野で在留外国人が増えてきました。フィリピン出身者からは飲食業に従事するケースが多く、ブラジル出身者は自動車工場などの担い手と期待されていました。そして、昨今では、ベトナム、ネパール、インドネシア、ミャンマー出身者が大きく伸びています(図表2参照)。

(図表2)わが国における在留外国人の国籍別、在留資格別同行

【令和6年末】公表資料(出入国在留管理庁)を基にIFA Leading作成。

(注記)各年12月末時点の数値。単位:人、%。太字は当該分類内で伸び率の高い項目を示す。

(3)在留資格別では、特定技能、留学、高度専門職などが増えている

一方、在留外国人を在留資格別でみると、特定技能、留学、高度専門職などが大きく増えています。特定技能とは、①介護、②外食、③建設、④農業、⑤漁業、⑥製造業、⑦造船、⑧自動車運送業、⑨電気・電子、⑩情報通信、⑪繊維、⑫繊維製品、⑬金属、⑭プラスチック、⑮環境、⑯医療の16分野が対象となっており、 それぞれの業種ごとに実施される技能測定試験に合格する必要があります。日本の企業と雇用契約を結び、労働条件を明記した契約書が必要です。この制度は、日本での外国人労働者の受け入れを促進し、特定の産業分野での人手不足を解消するための必要な枠組みとなっています。また、日本は外国人留学生の受け入れに前向きで、国を挙げて奨学金制度の拡充や住居の提供、卒業後の就職支援などを行っています。 恵まれた環境が用意されているため、思う存分学業や研究に打ち込めるのが日本留学のメリットです。日本は国の規模に対して大学数が多く、2022年時点で700校以上の大学が存在しています。留学先の選択肢が多いことに加えて、卒業後は日本企業への就職を目指すケースも多いようです。一方、高度専門職とは日本の産業にイノベーションをもたらすとともに、日本人との切磋琢磨を通じて専門的・技術的な労働市場の発展を促し、労働市場の効率性を高めることが期待できる人とされています。IT系、研究開発分野では高度専門職として外国人を受け入れるケースが増えているようです。

(4)都道府県別では大都市圏で在留外国人が増えている

次に、都道府県別在留外国人の状況をみると、1位東京都、2位大阪府、3位愛知県、4位神奈川県、5位埼玉県、という順番となっています。1位の東京都は、日本全国の在留外国人数(376万8,977人)の19.6%を占めており、日本にいる外国人の5人に1人が東京都にいることになります(図表3参照)。ちなみに、東京都における在留外国人の国籍TOP5は、①中国:280,819人、②韓国:89,637人、③ベトナム:52,971人、④ネパール:48,649人、⑤フィリピン:36,943人となっています。東京都のなかでは、江戸川区、江東区などはIT系の仕事に従事するインド人が多く、インド料理店はもとよりインド人学校等も整備されているようです。インド出身者については、そもそもインドはITスキルを持つ就業者が多く、ITスキルを活かして在日企業(含む外資系)で就労するケースが増えていることが居住者の増加に繋がっているようです。他方、米国出身者は港区、渋谷区、世田谷区といったどちらかと言えば閑静な住宅街に居住することを好んでいるようです。米国出身者のなかでも外資系企業に勤務する層は、職場に近い場所に住居を構えることが一般的であり、ハイソサエティ(上流階級)な生活を送っているケースが多いようです。

 

(図表3)わが国における在留外国人の都道府県別状況

【令和6年末】公表資料(出入国在留管理庁)を基にIFA Leading作成。

(注記)単位:人、%。太字は当該分類内で伸び率の高い項目を示す。

(5)今後、在留外国人はどうなっていくのか

最後に今後、在留外国人はどうなっていくのでしょうか。外国人受け入れ拡大が進む一方で、移民政策の課題も浮き彫りになっています。労働力として外国人を受け入れるだけでなく、社会の一員として共生していくための環境整備が十分とはいえません。独立行政法人JICAの推計によれば、政府が目指す経済成長を実現するためには2040年に約688万人の外国人労働者が必要ですが、現在の延長線上では約97万人の人材不足に陥ると試算されています。したがって、日本の労働市場を支えるには相当数の外国人労働力が欠かせないことを示しており、今まで以上のスピード感で在留外国人が増えていくと思われます。人口減少が進む日本において、移民受け入れ拡大は避けて通れない課題となるでしょう。移民政策は先進国が直面する大きな課題のひとつです。移民拡大による労働力供給というメリット、日本人と外国人による社会制度の共有化(納税、社会保険、教育環境、住宅支援など)、人手不足の進展による国力低下といった問題に政府としてどのように対処していくかが強く求められているのだと思います。

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