IFAL Times
キャッシュレス時代の光と影~キャッシュレス社会は世界の潮流となっている~
キャッシュレス時代、コロナ禍やデジタル化を背景に日本でもキャッシュレス決済が急拡大し、2024年には比率が42.8%に達しました。利便性やコスト削減など多くの利点がある一方、フィッシング詐欺や不正利用のリスクも増しており、利用者の注意が求められています。
- (1)キャッシュレス社会の進展
- (2)キャッシュレス決済の利用実態
- (3)キャッシュレス決済に関わるメリット、デメリット
- (4)フィッシング詐欺に注意
- IFA Leadingのアドバイザーにお気軽にご相談ください
目次
(1)キャッシュレス社会の進展
コロナ禍や急激なデジタル化の進展を受けて、わが国のキャッシュレス社会は大きな進展を遂げようとしています。わが国では、2015年頃までは飲食や買い物をする場合、現金決済が主体であり、クレジットカードでの決済を除くとキャッシュレス決済は主流ではありませんでした。バブル期には会社から支給されたボーナスを現金で家に持ち帰って家族に自慢するといったお父さんもいました。今とは違って銀行の引き落とし額は事実無制限だったので、数百万円の現金を引き出して、酔っぱらって失くしてしまったという笑えない話もありました。振り返れば、2010年時点でキャッシュレス決済比率はわずか13.2%で、その後も2011年は14.1%、2012年は15.1%と緩やかな普及にとどまっていました。当時の日本では「現金主義」が根強く、社会全体でのキャッシュレス化の推進は大きな課題でした。こうした状況を背景に、政府は「未来投資戦略2017」や「キャッシュレス・ビジョン」を策定し、決済インフラの整備や制度設計を進めてきました。その後、日本のキャッシュレス決済は、政府の推進政策や技術革新によってさらなる発展が期待されています。2023年のキャッシュレス決済比率は39.3%で過去最高を記録し、2024年には42.8%に達しました。政府は2025年以降もキャッシュレス決済比率を一段と引き上げる目標を掲げており、QRコード決済や電子マネーの普及が特に顕著になっています(図表1参照)。
if ($image_caption) : ?>
endif; ?>
2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました(経済産業省)
(https://www.meti.go.jp/press/2024/03/20250331005/20250331005.html)を基にIFA Leading作成。
(2)キャッシュレス決済の利用実態
次にキャッシュレス決済の利用実態をみてみましょう。わが国では生活者の85%が何らかのキャッシュレス決済を利用していると言われています。クレジットカードでは接触型で7割、非接触型で5割が利用しているようです。電子マネーでは、カード型・モバイル型を問わず5割が利用しています。生活者の15%はキャッシュレス決済を利用していないことになり、高齢者のなかの一定層は現金決済のみといったケースも少なからずあるようです。現金の支払いは、迅速性や管理の容易さが、その利用の主な理由として考えられます。いまでも、小規模小売店や飲食店では、現金決済のみといったケースもあるようですが、こうしたお店ではキャッシュレス決済に関わる機器導入等を敬遠しているのではないでしょうか。キャッシュレス決済のもう一つのポイントとして、ポイントの利用が挙げられます。日常的に利用されやすい店舗・サービスでは、ポイントを貯めたり使ったりする人の割合が多いとされています。ほとんどの人はポイントを積極的に利用して、店舗・商品選択に影響を受けているようです。また、ポイントをマイルや店頭やオンラインサービスでの支払いに使っているようです。確かに、キャッシュレス決済は便利な決済方法ですが、それ以上にポイントを貯めて使うという仕組みもキャッシュレス決済比率向上に一役買っているのではないでしょうか(図表2参照)。
if ($image_caption) : ?>
endif; ?>
キャッシュレス決済とは?種類や活用のメリットを解説!(経済産業省)
(https://www.gov-online.go.jp/article/202309/entry-7678.html)を基にIFA Leading作成。
(出所)メディア情報を基にIFA Leading作成。
(3)キャッシュレス決済に関わるメリット、デメリット
キャッシュレス決済のメリット、デメリットは図表3の通りですが、もう少し詳しく見てみましょう。メリットについては、第一に、現金を使うことで生じる社会的なコストの削減に繋がります。紙幣や硬貨の製造、輸送、流通にかかるコストやATM設置コストなど、現金を社会に流通させるためにはさまざまなコストがかかっています。キャッシュレス化で現金の流通量が減れば、コスト削減に繋がるため、それに伴う人件費も節減できるでしょう。第二に、スピーディーな決済の実現に繋がります。レジで紙幣や硬貨を取り出したり、おつりを待つ時間が省略されたり、スムーズかつスピーディーな決済が可能になります。第三に、飲み会での割り勘や社内でのお祝いなど個人間でのお金のやりとりも個人間で送金できるアプリを使用することで、新たなコミュニケーションが生まれるかもしれません。第四に、訪日観光客にとって、滞在期間中、日本円に両替した現金通貨だけで過ごさないといけない場合、買い物や食事にもセーブがかかってしまうものです。このためキャッシュレス決済が普及すればインバウンド需要に繋がります。そして、第五として、お金の流れの透明化による不正行為防止および治安向上に繋がります。クレジットカードや口座振替を見てもわかるように、キャッシュレス決済では使ったお金の流れがすべて記録されています。お金の流れがすべてわかるということは、不正行為の防止につながり、ひいては治安向上に役立ちます。
if ($image_caption) : ?>
endif; ?>
キャッシュレス決済とは?種類や活用のメリットを解説!(経済産業省)
(https://www.gov-online.go.jp/article/202309/entry-7678.html)を基にIFA Leading作成。
(出所)メディア情報を基にIFA Leading作成。
(4)フィッシング詐欺に注意
キャッシュレス決済において最も注意すべきことは、フィッシング詐欺です。近年、日本人を狙うフィッシング詐欺は、組織化されて巧妙化する傾向にあります。以前は日本語として違和感のあるフィッシングメールも多く見受けられましたが、最近では金融機関や通販サイトで実際に使われているフォーマットをそのまま利用し、簡単には見分けがつかないほど精度の高いフィッシングメールが送られてくるケースも増えています。実はこれまでも、カード会社をかたるフィッシングメールが出回ったことがありましたが、最近では、メール本文だけでなくデザインも本物と酷似していたため、見分けるのが困難になっているようです。こうしたフィッシング詐欺は、対象者を選ばずに発生しています。大量のメールを無作為に大勢の人に送り付け、そのうちの何人かがだまされることを期待するため、被害者は年齢層や職業が幅広く分布しています。ITリテラシーの低い高齢者層だけが被害に遭っているとは限りません。つまり、クレジットカードの利用が日常に浸透した現在、誰でも被害者になり得るということなのです。
最近では、フィッシング詐欺にあったり、盗難にあったり、紛失しなくてもクレジットカードが不正利用されているといったケースも増えているようです。ネットショッピングや小売店で買い物をした際に、カード情報を不正に読み取られて不正利用されているといったことが考えられます。しかし、最近ではカード会社によるセキュリティ対策がしっかりしていて、高額な買い物、海外など普段買い物をしない場所でのカード利用については本人確認を徹底しており、一定程度被害は防げているようです。とはいえ、知らないお店で高額の買い物、セキュリティの甘いネットショッピングなどについては利用者が注意しなければならないと思います。
