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アカウンタビリティとは何か~現代社会において最も意識しなければならないこと~
アカウンタビリティとは、組織や個人が自らの行動や判断について説明責任を果たすことを指します。企業や行政、医療など幅広い分野で重要性が高まっており、適切な情報開示は信頼の構築やリスク低減につながります。一方、説明不足は信用低下を招くため、継続的な実践が求められます。
- (1)アカウンタビリティとは何か?
- (2)アカウンタビリティを果たすメリット
- (3)アカウンタビリティを果たさないことで高まるリスク
- (4)アカウンタビリティに対する取り組みの変化
- (5)常に、アカウンタビリティを意識することが大切
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目次
(1)アカウンタビリティとは何か?
アカウンタビリティという言葉を耳にする機会が増えてきました。アカウンタビリティ(accountability)とは、「会計」を意味するアカウント(account)と「責任」を意味するレスポンシビリティ(responsibility)を組み合わせた言葉で、日本では「説明責任」または「説明義務」などと訳されています。従来は、「株主や取引先などのステークホルダーに対して、企業の経営者が会計情報を報告する責任」という意味の会計用語として用いられていました。しかし、最近はより多様なシーンで使われるようになっており、会計情報以外にもCSR(企業の社会的責任)活動や環境問題などへの取り組み、不祥事などに対する説明を求める場合などにも用いられています。そのためアカウンタビリティは、事業活動に関連して企業が果たすべき責任の一つという意味も併せ持っているのです。さらに広義では対象の範囲も広がっており、説明や報告する責任が生じたときにアカウンタビリティが用いられるようになっているのです(図表1参照)。
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(出所)メディア情報などを基にIFA Leading作成。
(2)アカウンタビリティを果たすメリット
アカウンタビリティの大きなメリットとなるのが、ステークホルダーとの信頼関係の構築です。適切に情報を開示することにより、投資家からは安心して会社経営を任せてもらうことができ、取引先からの安心や評価にもつながることになります。つまり、良好な取引をするためにも、アカウンタビリティを果たすことが重要なのです。企業がアカウンタビリティを果たすことは、透明性のある企業であることを社外に示すことになります。また、従業員に対しても、健全な経営を行っていることを示すことができるのです。情報開示をすることで、経営者はより健全な経営を心がけるようになることもメリットの一つと考えられます。財務状況を含む会計情報、またはCSR活動などの情報を必要に応じて開示することは、企業の健全性をアピールすることにもつながります。企業を幅広く知ってもらうことにも役立ち、社会からの信用を得やすくなると考えられるのです。また、企業の財務内容を知ることは、従業員のモチベーションアップにもつながります。自分が行っている仕事が業績につながっているか、事業活動を通して社会にどのように貢献しているかを知ることができるからです。社会的責任を果たし、透明性の高い健全な企業であることが浸透すると、健全性の高い企業で自分の価値を高めたいという意欲の高い人材が集まるなど、採用活動でも優位になり得るといったメリットも期待できることになります。
(3)アカウンタビリティを果たさないことで高まるリスク
一方、アカウンタビリティを果たさない場合、企業を経営する上でリスクが高まることもあるのです。企業がアカウンタビリティを果たさない場合、社会的な信用が低下してしまうリスクがあります。特に不祥事などが発覚した際は、新聞やニュースなどで大きく報道されることに加えて、現代はSNSによってさまざまな憶測が拡散されることもあります。企業にとって不利になることであっても正確な情報を提供し、それにどう対応していくか説明義務を果たすことで騒動を最小限にとどめることができるのです。これはリスク管理の一つとして大変重要な視点です。昨年、メディアを賑わしたフジテレビの事件では、アカウンタビリティが不十分であるといった評価がなされました。アカウンタビリティを果たしていないと、資金調達が困難になる可能性があります。投資家が投資判断をする際は、企業が開示している情報をもとに行うからです。開示した情報に透明性や納得感を感じない場合はもちろん、情報が不足している場合でも投資は行われないのが通常です。そのため、「アカウンタビリティが果たされていない」と投資家が判断した場合は、資金調達に影響が出てくると考えられるのです。会社の場合は、会社法や金融商品取引法などによって適切な情報開示を行うことが義務付けられています。情報開示違反には100万円以下の過料が科せられるほか、不正な決算公告によって損害を与えた場合は損害賠償に発展するケースもあるのです。一方、行政機関は「情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)」において、アカウンタビリティを全うすることが義務付けられています。開示請求権に応じて行政機関が保有する情報を公開することが、公正で民主的な行政の推進につながるからです。
(4)アカウンタビリティに対する取り組みの変化
アカウンタビリティに関する事例を見てみましょう。かつての日本企業では、ボーナス査定や人事評価に関して必ずしも本人にフィードバックされていなかったと見られています。〇〇君はいつも頑張って残業している、〇〇さんは上司の言うことに素直に対応してくれる、〇〇課長は部下の面倒見が良いといった何となくといった基準で評価されていたように思います。勿論、こうした評価軸は大切なのですが、本人の仕事が会社や部署の収益に貢献したか、本人が設定した目標をクリアしたか、360度評価ではどうだったのかといった視点が大切であり、出来るだけ定量的な評価が求められるようになっているわけです。そして、こうした評価を上司と部下との面談によって適切にフィードバックして説明責任を果たすことが時代の風潮となっているのです。こうした説明責任を果たしていない上司は、部下から評価されていなくなるばかりか、部下が退職した場合には、責任問題ともなってくるわけです。
また、アカウンタビリティについては我々一般社会においても浸透しています。以前は歯が痛くて歯科医に行くと、虫歯なので抜歯して入れ歯にするかインプラントにしましょうといった治療が始まることもあったようですが、最近ではアカウンタビリティの観点から、治療を始める前に治療内容、治療期間・費用といった点について患者さんに説明をして、同意を得たうえで取り組むということがほとんどになっているようです。この点に関しては、歯科のみならず外科・整形外科、皮膚科、内科などにおいても同様です。そういえば、健康診断で胃カメラ検査をする際に、患者さんの同意書を提出するといったことは随分前から行われていたように思います。
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(出所)メディア情報などを基にIFA Leading作成。
(5)常に、アカウンタビリティを意識することが大切
アカウンタビリティは、組織における責任の重要性を強調する概念であり、今後もますます重要性を増すと予想されます。技術の進歩により、アカウンタビリティの実践方法が変化することが期待されます。また、社会的責任の重要性が増加し、グローバル化が進むなかで、組織に対するアカウンタビリティの要求も高まることが予想されます。組織は、これらの変化に対応し、アカウンタビリティを高めるために、責任の明確化、目標の設定と共有、報告制度の構築、評価とフィードバック、トレーニングと教育の実施など、様々な対策を講じる必要があります。また、アカウンタビリティを実践する際には、責任の逃避、情報の不十分さ、倫理的な問題、組織文化の影響などの課題に対しても、適切な対策を講じることが重要となります。組織がアカウンタビリティを重視し、実践することで、組織の健全性や成長、信頼関係の築造、目標達成、持続可能な発展につながることが期待されます。
日常生活においても、アカウンタビリティを意識することは益々大切になっていくと思われます。街で買い物をしたり、サービスを受けたりする際に違和感を感じたら、その場で解消することが求められます。十分な説明無しに治療を始める医療機関に対しては説明を求めることも必要になってきます。個人個人がアカウンタビリティを重視し、実践することで、社会全体の健全性、信頼関係の築造、持続可能な発展につながることが期待されるのです。
