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配当利回りとは ~利回り計算を理解することが大切~
配当利回りとは、購入時の株価に対して1年間で幾らの配当をもらうことができるかを示す指標です。資産運用を行っていく上でインカムゲインは大切であり、インフレ時代はお金に働いてもらうことが大切です。

- (1)配当とは投資に対する果実のひとつである
- (2)配当利回りとは何か
- (3)配当を受け取るための流れを理解する
- (4)累進配当という考え方が広がってきている
- (5)株式平均利回りの推移
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目次
(1)配当とは投資に対する果実のひとつである
株式投資を行う場合、投資先企業の事業内容を理解して、収益性や成長性を吟味することが大切です。昨今では、ホームページが充実しているので、経営トップのメッセージを読んだり、サステナビリティ(持続的成長性)に対する会社側の考え方を理解したりすることも投資をするうえでは有益です。一方、株式投資において投資先企業を選ぶ際に、配当利回りに注目するケースも増えつつあるようです。株式投資において、値上がりから得られる利益をキャピタルゲインと言います。これに対して、配当から得られる利益をインカムゲインと言います。投資家にとっては、投資先企業の株価が上がって、配当が増えることは最も望ましいことです。株価変動要因は、投資先企業の業績のみによって決まるものではありません。好業績であっても、トランプ大統領による関税政策強化によって将来の経済環境が悪くなるといった意識が高まれば、好業績企業であっても売り込まれてしまいます。一方、世界的に好景気が続くといった意識が高まれば、業績低迷企業であっても株価が上昇するケースもあります。
(2)配当利回りとは何か
ここで、配当利回りとは何か整理したいと思います。配当利回りとは、購入時の株価に対して1年間で幾らの配当をもらうことができるかを示す指標です。1,000円の株価の会社が50円配当をしている場合、配当の利回りは5%となります(税込みベース)。但し、1,000円の株価で50円配当している会社を1か月だけ保有しているとしたら、年率の配当利回りは60%となります。実際には、配当落ち日には株価が下落するので、短期間の保有で配当利回りが跳ね上がることはそれほど多くないようです。また、課税口座で株式を保有しているケースでは、約20%の源泉徴収が課されているので、5%の配当利回りは4%程度となります(図表1参照)。

(3)配当を受け取るための流れを理解する
次に配当を受け取るための流れを整理してみましょう。まずは、配当金が出る企業の株を買うことが必要です。幾ら好業績で成長率が高い企業であっても、無配企業から配当を得ることはできません。配当金は企業の決算月に権利が発生します。企業によっては、中間配当として年2回配当をしているケースが多いのが実態です。
第二に、3月決算企業であれば、3月末(権利付き最終日)までに購入してその日の大引けまで保有する必要があります。配当を得るためには、投資先企業の株主名簿に記載されなければなりません。名簿の記載が確定する日を「権利確定日」と言います。権利付き最終日は権利確定日の2営業日前なので、3月31日決算会社であれば、3月29日までに権利を得るために株を保有しなければなりません。権利付き最終日に投資先企業の株を買って、次の日に売却しても配当はもらえます。なお、一般には、権利落ち日は下落から始まる可能性が高く、配当分くらい下落することになります(期末50円配当の企業であれば、理論上、権利落ち日は50円程度値下がりすることになるわけです)。
第三に、配当金を受け取るタイミングですが、概ね権利確定日から2~3カ月後に受け取ることになります。本決算の場合、決算3カ月後に開催される株主総会において、株主総会議案である利益処分案が可決されることによって配当支払いが発生しますので、3月決算であれば6月末に配当を受け取ることになります。但し、中間決算の場合、取締役会決議によって配当を支払いますので、9月中間決算であれば11月末から12月初旬にかけて配当を受け取ることになります。
(4)累進配当という考え方が広がってきている
昨今、配当政策として「累進配当」という考え方を導入する企業が増えつつあるようです。累進配当とは基本的に毎年増配をし、最低でも横ばいを維持する方針のことを指しています。配当が成長すれば理論的には株価が上昇することになります。実際、これまで10年以上連続して累進的に増配してきた企業の株価は、日経平均株価に比べて大きく上昇してきたという経緯があります。10年間で日経平均に対してほぼ1.5倍の上昇率を示しています。とはいえ、増配を続けるのは簡単ではありません。投資家は、「累進配当企業は業績や財務体質に自信がある大企業で、社長が増配にコミットする強い姿勢を維持できる優良銘柄である」と評価しているのです。累進配当企業の場合、業績が大きく悪化したり、配当方針が変わったりしなければ継続的な増配が期待できるわけです。したがって、投資家にとっては長期的に保有しようというインセンティブが働くと言えるのではないでしょうか。
(5)株式平均利回りの推移
最後に、株式平均利回りを見てみましょう。東京証券取引所が市場改革を実施した2022年4月以降の配当利回りは概ね安定的に推移していますが、プライム市場、スタンダード市場においては徐々に水準を切り上げています。2025年3月のプライム市場有配会社(配当を実施している会社)の平均利回りは2.42%、スタンダード市場では2.62%となっています。プライム市場の上場企業を例にすると、100万円の株式投資をした場合、年間約24,000円の配当金(税込み)を受け取れることになります。これに対して、銀行預金はどうでしょうか。2025年3月の普通銀行の1年物定期の金利は0.253%なので、100万円の預金に対して、年間2,530円(税込み)の利息を受け取れることになります。確かに、銀行1年物定期預金の金利が0.004%の頃に比べると金利水準は上がりましたが、株式の利回りに比べるとまだまだ低い水準にとどまっています。さらに、株式投資の場合、値上がり益が期待できるのですが、銀行預金では値上がり益は期待できません。また、株式の場合、インフレ時代には値上がりが期待できると言われています。いずれにせよ、インフレ時代には、余裕資金の範囲で一定程度の株式を保有することは有益なのではないでしょうか。インフレ時代には、おカネに働いてもらわなければなりません。運用に関する具体的な取組みについては、専門家に相談してみると良いと思います。
